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HANA-BIのkayupanのレビュー・感想・評価

HANA-BI(1997年製作の映画)
5.0
1人の刑事が、担当事件で車椅子生活を余儀なくされた同僚と亡くした同僚へのショックと責任から退職し、認知症の妻と共に借金をしながら慎ましく暮らしている。ある日返済が追いつかなくなり、銀行強盗を計画する。借金取りとの抗争と現実からの逃避が、暴力的かつ静かな狂気として、一方で美しく捉えられている。
全体がブルーで覆われた映像で静謐な印象を与えており、過去が振り払われない様子を繰り返されるクロスカッティングで表現したり、均整の取れない絵画が心象の揺らぎを寡黙な台詞の代わりに語る。銃声の火と花が散るような日本的美意識の生き様が、静謐で物悲しい久石譲の音楽と共に描かれる。
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