鮎川

HANA-BIの鮎川のレビュー・感想・評価

HANA-BI(1997年製作の映画)
4.5
「俺はああいう風には生きられないんだろうなあ」
久々に鑑賞、やっぱりこの作品が大好きだ、、、
西夫妻の映し方がさりげなくあたたかく、どうしたって心を掴まれる。一見ありふれているように思えるのに、こんなに愛情深い関係は他にないんじゃないかと感じる。ショートケーキとシュークリーム、クランキーチョコレート。何気ないやりとりで妻を笑わせて、そうして自分も笑って。
「そんなものに水やってどーすんだよ」のところ、ひどくせつなかったな…枯れた花を大切に、瓶に飾るということ。
花火は空にパッと浮かんで消える。手の取れた凧は地面をさまよい続ける。雪の下に埋もれる、自決の文字。
余韻のままに流れてくる久石譲さんのHANA-BIが本当に美しくて切なくて、胸が苦しいのに嫌な痛みじゃない。本当にすごい映画だ、、、
鮎川

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