Nakanishi

ミツバチのささやきのNakanishiのレビュー・感想・評価

ミツバチのささやき(1973年製作の映画)
4.5
知人が大絶賛していたため鑑賞。今後何度も観たくなるような素晴らしい映画でした。

シーンひとつひとつはあまり脈絡がなく、なんとなく見ているだけでは意味がわかりません。そのため、このシーンはどういう意味なのだろう?と自分なりに考察し解釈する過程が毎回発生します。それを繰り返していくうちに段々意味がわかるようになり、気付いたら釘付けでした。

少女が他者からの教育ではなく自らの経験により学ぶ様子が描かれており、子どもの感性や視点をじっくりと味わうことができます。幼少の頃、こんな風に物事を捉えていたなあなんて思い出しました。そして演技が素晴らしいです。終始美しい眼差しで物や様子を見つめるアナ・トレントには度肝を抜かれました。

音楽もよかったです。哀愁と懐かしさと不安が入り混じったような不思議な雰囲気。映像にピタリとハマっていました。

それから、随所に現れる蜂の巣状の窓ガラス。これが何を意味しているのかわからず気になっていましたが、綺麗な回収をしてくれたのでこの手の映画にしてはカタルシスは強めです!台詞少ない映画にしては親切でした。

見る度に良さを噛み締められるような、味わい深い映画です。100分ほどで収まっているのも個人的にはポイント高いです。名作!!
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