1940年、スペイン内戦終結後の小さな村に『フランケンシュタイン』の巡回映画がやってくる。6歳の少女アナは、姉から怪物は村はずれの一軒家に潜んでいると聞き、それを信じ込む。
名作だけど難解という評判も。午前十時の映画祭ではじめて鑑賞。ほとんどすべてのショットに、たとえ荒涼とした風景であっても絵画のような美しさがある。何が描かれるのか映像が物語るものに惹きつけられていく。
内戦の傷は父や母、大人たちによって語られない。幼いアナにとってフランケンシュタインの怪物や精霊の存在は、複雑な世界に触れる接点や理解するための術として機能しているように思う。そんな子どもの視点から世界を繊細で詩情豊かに捉えている。