【午前十時の映画祭】
“私はアナ🍏”
今年のごぜ10で楽しみにしていた目玉作品の一つ
公開時この作品を観たのは今はなき六本木WAVEの地下にあったシネ・ヴィヴァン・六本木
ミニシアターブームを牽引していたこの劇場は、当時なかなか観る機会の少なかったゴダールやタルコフスキーの作品をよく上映してくれていました
さらに名作と言われていたのに日本では制作から10年以上公開されていなかった本作も上映し、多くの人がつめかけた貴重な劇場
この作品に込められた制作者の意図や主人公アナの家族に込められたメタファーはなんとなくは伝えられてはいたものの、世間の目は絵画的な美しい映像とアナの可愛さに向けられ、とりわけ少女の成長談(通過儀礼)を描いた作品としてその後も多くの作家に影響を与えました
(『となりのトトロ』もその一つと言われてる)
熱に浮かれどこか浮ついた社会で暮らしていた当時の日本人にはスペインの人たちが本作を観て感じる感情を理解するのが難しかったのも当然のことかもしれません
そして今回、本作を観て感じたこと
当時のスペインの社会状況とは全く違うものの、不安定かつキナ臭い社会情勢に皆がどこか不安を感じている現在
それを否定しながら理屈だけで行動を起こさない人たち(父親)
過去にばかり執着する人たち(母親)
今の状況に疑問を抱かず迎合する人たち(姉)
そんな中で純粋無垢な大きな瞳で世の中を見つめるアナ
時代と国境を越えた名作と呼ぶにふさわしい本作は今の時代だからこそ、そこに生きる私達に必要な作品だと思います
当時のスペインの人たちがこの作品から未来への希望と勇気をもらったように✨
p.s.
…てなことを言いながら、やっぱりアナの可愛さに目を奪われてしまう😍
これも正しい本作の見方w