感激しています。傑作でした。
幼い少女の死生観を形成する断片を観る映画。
時は1940年頃、舞台は内戦終了直後のスペインの村。
村の公民館での上映のために興行者が車で映画のフィルムを持って来るところから始まります。映画を待ち焦がれた村人たちの様子が映し出せれるこのシーンはたまりません。
その上映会で『フランケンシュタイン』を観たアナと姉のイサベル。アナがイサベルに「なぜ彼は殺されたのか」を問います。イサベルは答えます。「彼は死んでいない。精霊になった。村外れの小屋にいて夜にだけ会える」と。
そんなイサベルの嘘から始まるアナの心の物語。
宗教観とファンタジーがまぜこぜになった精神世界と、フランコ政権に抑圧された時代の現実世界が交差します。
詩のような映画です。
映像も美しい。
いつかスクリーンで観てみたいです。