ロッセリーニやデ・シーカの時代に比べ新しいネオレアリズモを感じさせる。
共通点はあれど、大きな違いはシーンは断片的でありながらある程度構成されたつくりであること、映画的性質を帯びていることだと思う。フェリーニも新しいネオレアリズモだと言えるけど、(今作で)アントニオーニは誰かの感情にフォーカスするのでなく、群像劇として様々な感情を扱いながら愛の不毛と孤絶を表現してて、(断片が出来事でなく会話というのがまた)映画としては非常に微妙かつ曖昧なラインにあるのではないか。
このようなつくりはほぼ娯楽的でなく、共感を呼ぶようなつくりでもないと感じる一方で、作家性が強いという点で評価したい、深く鑑賞したいなと思いました。