イワシ

獣人のイワシのレビュー・感想・評価

獣人(1938年製作の映画)
4.0
蒸気機関車運転の過程それ自体がとてもダイナミック。ジャン・ギャバンとジュリアン・カレットのスムーズかつ機械的連鎖的な運動はヘイルズ・ツアーズ的主観ショットのダイナミズムを保障する。この運動または画面から外れていくことが『獣人』の物語だがその結末も一つの運動として描かれる。

ラング『仕組まれた罠』は、運転がレバー操作のみで完結するからかグレン・フォードとエドガー・ブキャナンの煙草とパイプによる父子的やりとりが強調される印象。ブロデリック・クロフォードも同じ列車に乗るが車窓から見える風景の流れる方向の対比はフォードを救ったに見えて、ある意味で脱出を果たしたギャバンと比較するとどこか薄寒い印象を与える。
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