Mackey

日の名残りのMackeyのレビュー・感想・評価

日の名残り(1993年製作の映画)
3.7
映画自体は別につまらなくも面白くもない、ただ淡々に進んでいく感じなのだけど、原作ファンにはたまらない面白さがある。小説を画にするーーという意味でものすごくよくできた映画だ。

主人公は、ある由緒正しいお屋敷に仕えるイギリス人執事。すばらしい人格者である「ダーリントン卿」に長年仕えたことを誇りに思っている。晩年、卿が汚名を着せられたまま失意の中で亡くなると、新たにアメリカ人の主人を迎えることになるのだがーー

そこから始まる、主人公の回顧映画。このあらすじだけだと絶対つまらない映画に違いないと思われるかもしれないが、これは「執事のメンタリティ」「本物のサービスとは」「人生をかけた仕事」など、我々が目にすることのないことについて、多くのことを教えてくれる。

とくに盛り上がりも、一発逆転も、展開すらもない映画、しずかな作品だが、小説で想像していた通りのお屋敷が現れた時には感激すら覚えた。アンソニー・ホプキンスは金持ちの役などもやるが、この執事役はあたりだと思う。
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