HollyGolightly

日の名残りのHollyGolightlyのレビュー・感想・評価

日の名残り(1993年製作の映画)
4.0
自分が生涯かけてしてきた仕事が世間から非難されるようになったら、どう思えばいいんだろうね
渦中ではわからないこと、良くないなとか間違ってるなって思っていつつ見過ごしてしまったこと、それが後々とんでもないことに加担してたっていうのがわかる時ってどんな感じなんだろう。
執事っていう仕事を誇りに思っていて、でも自分が仕えていた主人が道徳的に大きな間違いを犯した人物だったら?

ナチス擁護派の主人に仕える執事スティーブン、第二次世界大戦に向かって少しずつ変わっていく世界、ヒトラーの思想に傾倒していく主人、ユダヤ人のメイドを解雇しろといわれて仕方なく従うスティーブン、エマトンプソンは正しいことをしようとするも、結局人ができることは自分の身が保証される範囲内だってことを認めている、
自分だったらさ、執事の仕事しかしたことなくて、ずっとある主人に仕えてきて、その主人がナチに親しくなってきた、っていう時に辞めるっていう選択をするかな? しないんじゃないかな。なにかの渦中にいるときって、なにもはっきり見えないことの方が多い。

エマトンプソンとまた一緒に働けるかもしれない、あの輝かしかった日々に戻れるかもしれない、って胸が高鳴ってるときの顔から、孫ができたから遠くでは働けない、ていわれたときの表情の変化がみてて辛かった。アンソニーホプキンスがこんな愛おしい映画ほかにある?