Miver2

喜劇役者たち 九八とゲイブルのMiver2のレビュー・感想・評価

5.0
真っ直ぐで人情に溢れた愛川欽也と、何処か陰のある狂気に満ちたタモリの2人がコンビを組んで、2人の掛け合いを軸にして繰り広げて行く物語が抜群の面白さ。
ある種、不謹慎だからこそ全てが完全に振り切っていて、あまりにも最高過ぎたな。

愛川欽也の存在感を楽しみつつの、タモリが繰り広げて行く数々の密室芸があまりにも最高過ぎたし、物語の終盤の所での権力を振り翳す人間達とのバトルや、歌で締め括るあの面白さに滅茶苦茶笑ったし、観ていてとても楽しかった。

愛川欽也とタモリの息のあった演技と掛け合いを観る楽しさに溢れていたのと同時に、2人の脇を固める登場人物達の存在感もしっかりと楽しめる映画で。
さりげなく人間模様を描いて行く事の面白さもしっかりと楽しむ事が出来た。

何処となく義理人情を感じながら、時に狂気に満ち溢れるあの面白さは独特だなと思うのと同時に、喜劇の古典を踏まえた上での描き具合があまりにも最高過ぎて。
終盤から最後に向かって駆け抜けて行くあのスリリングさがたまらなく良かった。


タモリの密室芸の面白さを存分に楽しめる映画でもあるけど、タモリのアルバム「タモリ」を聴くとより面白さが増す所もあるし、聴き応えが増したりするのが嬉しい。

あと愛川欽也とタモリの掛け合いを観ていて、松尾貴史さんとナオユキさんのトークライブ「ふたりがかり」で芸人にコンプライアンスを求める事の話を思い出したり、テレビ局のプロデューサーが川瀬陽太さんみたいだなあと思ったりもしたのであった。

さりげなく人情味に溢れながら、毒を以て毒を制する狂気が錯列するあの描き具合があまりにも最高過ぎるし、出演者と登場人物達の存在感を楽しみながら、喜劇の面白さを存分に体感する事が出来る素晴らしい作品でした。



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