ハレルヤ

彼女が消えた浜辺のハレルヤのレビュー・感想・評価

彼女が消えた浜辺(2009年製作の映画)
3.8
大学時代の友人同士の3組の家族は旅行に出かけ、セピデーはグループの中で唯一独身であるアーマドに紹介するためにエリを連れてくる。そんな最中、エリが突然失踪してしまい、その件からグループ内の人間関係に亀裂が入りだすサスペンスドラマ。

個人的に最近また注目しているイランのアスガー・ファルハディ監督。この作品も高い評価を得ていたのでかなり気になっていました。

本作の本筋はタイトルの通り浜辺でのエリの失踪。海で溺れたのか。勝手に帰ったのか。誰かに拐われたのか。何もわからないまま他の登場人物と同じ心情で物語は進みます。

そしてエリ自身の事も誰もほとんど知らないというところも含めて、謎は深まりミステリー要素も纏った状況。やがて発覚する事実に誰もが慌てたり、疑心暗鬼になったりと不穏な心理描写が続く。監督の得意技がここで凄く活きていました。

前半は家族旅行で皆でワイワイして楽しい雰囲気。エリが姿を消してからサスペンスフルになる中盤。空気が一変する緩急の付け方も映画の見せ方の巧さも際立っています。

そしてスッキリしない終わり方も相変わらず。2時間があっという間。見応え抜群の作品だと思います。
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