彼女が消えた浜辺の作品情報・感想・評価

「彼女が消えた浜辺」に投稿された感想・評価

たま

たまの感想・評価

4.5
冒頭、3組の家族と1人のバツイチ男と彼女=エリが避暑地で合流するところから8人の人間描写か凄い。
これは映画じゃない、自分も合流しているんじゃないかと錯覚するほど台詞も細かな行動も現実的。
歌ったり踊ったりはしゃいだりバレーボールしたりしてるだけなのに全く飽きさせない。
大人もバカンスを楽しみたい、そんな気持ちの油断から子供の事故は起きるもの。
子供が溺れたことを知らせる他の子供。初めは相手にしなかったけど、徐々に血相を変える大人、救出劇のリアルさ。
そして、ホッとするもつかの間、彼女=エリの行方が分からないことを知り、残された人達の心理が浮き彫りになっていく様は見事。
心配したり疑ったり後悔したり保身したり、エリの秘密を知っていながら打ち明けられなかったり。
エリの婚約者がひとり感情を整理している時、それを遠くから見つめる人達の中にすっかり自分も入り込んでいた気がする。
とても丁寧に丁寧に作られていて、この監督作品を数作見たけど、この映画が1番好みでした。
fujiK

fujiKの感想・評価

3.3
海辺の貸し別荘を舞台に繰り広げられる、現代イラン版サスペンス。
クリスティも面白がるかも。少しばかり緩慢だけど。
「別離」で世界中に名を知らしめたアスガー・ファルハディ監督の、その一つ前の作品。

トンネルで車を飛ばし、窓から顔を出し叫ぶそのファーストシーンに、一般の人は想像してたイラン映画と全然違う!と思うに違いない。

アスガー・ファルハディの監督作は、イランという強いお国柄を描くよりも、世界どの国でも起こりそうな普遍的な事件、出来事を描くのが上手い。

嘘の苦手な人間たちの小さな嘘が、スリラー映画のように少しずつその真実が明かされていき、舞台のほとんどが浜辺の別荘内での話だが、その中でどんどん物語が展開し、加速していく。

ベルリン国際映画祭銀熊賞受賞作品。見応えあり。傑作。
サバ

サバの感想・評価

3.8
アスガー・ファルハディ監督作品の2作目。

3組の家族と独身男女の男女8人と子供3人で浜辺にバカンスに訪れた。
独身女性エリに離婚歴のあるアーマドを引き合わせる為でもあった。
2日に子供が溺れエリが行方不明に‼️

果たして子供を助けるために溺れたのか、はたまた帰りたいと言ってたので帰ったのか⁉️

残された7人が怒ったり、誰かを責めたり、自分のせいだと泣いたり、極限状況で色んな思いやらエゴやらが、むき出しなる。
そんな中、エリの秘密が明らかになって行く。社会的背景が日本とは違うので、名誉であったり尊厳だったり、私達とは少し違うんだなぁ。

離別でも思ったけど、イランの人の勝手イメージが覆る。バカンスに向かう車から身を乗り出して、女性が大声ではしゃいだり、冗談いったり、みんなで踊ったりとするんだ。楽しそう。
zak

zakの感想・評価

4.0
初めてのイラン映画でしたが、イランの女性って意外と冗談言ったり、ノリが良かったりするんですね。ちょっとイメージ変わりました。(もちろん良い意味で)

連休に友達家族で海辺のリゾートに遊びに行くところから始まるんですが、その設定がまず好きでしたね。大勢でワイワイするのも楽しそう。って思わせるのが前半のフリです。(笑)

タイトル通り、彼女が消えてからの展開がメインで、基本的には謎解きミステリーなんですけど、彼女が消えた後の人間模様がこの映画の真骨頂です!
各々がエゴ丸出しで、罵り合い、責任を押し付け合い、事実を隠蔽する。こういうの面白れー!とか言うと、心荒んでますよね。でも面白れー!(笑)

とりわけ劇的な展開がある訳じゃないんですが、ラストに向けて(選択肢としては2択かな)どうなるんやろ?って感じで引き込まれました。
初イラン映画なかなか面白かったので、ちょっと掘り下げてみたいですね。
es

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4.0
劇中に探偵のいないサスペンス。一人一人の小さな嘘がどんどん積み重なり崩壊する。人間を描くことに長けた監督だと思う。
WOWOW 録画鑑賞,
車でトンネルに入って奇声を上げて楽しそうだなあと思った。彼女が消えた理由とか、彼女だけ携帯を持っていたことは、謎のまま終わりますが、わかった事は、みんな顔が濃い、男はひげ面、女はみんな同じ顔に見えて見分けるの大変です。親せき同士の集まりに見えた。
大きなストーリー展開がものすごく面白いわけではないけれど、こういう人間関係の機微というか、そういうものが描かれている作品は好き。
決して広くはない空間で物語が進んでいくのに間延びする場面もなく、それぞれのキャラが立っていて楽しく見れた。
自分に性格が似ている人がいて、重ねて見てしまって嫌になった。(笑)
評価高いな~…イラン国の背景を考えたらなるほどね…と思うとこもある感じだけど、正直面白くなかったわ。浜辺の別荘の門の鍵を開けるとこ、笑うとこなのかな?鍵開ける前に海側が開いてるの見えてたし。
主人公が消えて、皆、どうしよう〜?どうしよう〜?ってずっと言っている映画。
パニック映画。

本名を知らないのは流石に突っかかる部分があるけど、観ている自分も波の音を聴くと気持ち悪くなりそうだった。
空間は移動しないまま、基本的に映画は進んでいくので、合わない人はとことん合わないと思われる。

パニックになった状況で、みんなパニックになり過ぎて、一人でも、頭がおかしくなった上で、笑い出してしまう感じの人がいたら、もっと面白くなったと個人的には考える。
要するに緩急がない映画だから、観ていて、そこがすごい息苦しくなるし、裏を返せば、そこが一番の武器の映画である。
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