洞窟があまりにも良かったので鑑賞。
人間から動物、そして植物から鉱物へと、ピタゴラス的に魂が循環していく。
老人が病で倒れ、次のカットでは育てていたヤギが出産し、子ヤギは断層の亀裂に挟まり息絶え、その死が呼び水となって樹木が育ち、樹は倒木され炭に姿を変える。炭はやがて煙となり、空気中に霧散する。個の終焉はつねに次なる存在の端緒として受け取られ、この”主体”の移り変わりを語らぬまま観客が受容する。
四つの命が輪廻する過程と重なるように、四季もまた巡りゆくのも上手かった。キリスト教的なモチーフの内部に、アニミズム的な視点が挿入されており、異なる世界観が同居するその風景の呼吸そのものが美しい作品。