ドナウさんの映画レビュー・感想・評価

ドナウ

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奇跡の海(1996年製作の映画)

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第一章始まりの一枚絵、これテオレマだよなぁと思いながら…。開放者のヤンとマグダラのマリアのベスと聖母のドド。服は抑圧(禁欲)と開放、鐘は神と恍惚の象徴、ヤンはベスの服を一枚ずつ剥ぎ取り彼女を天国へと誘>>続きを読む

シュトロツェクの不思議な旅(1977年製作の映画)

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この監督にとってフリークスとは何だったのだろう。他の作品にも弱者が登場するが彼らへの眼差しは厳しく冷たい。それは愚か者のように馬鹿にしたり差別的に描かれているように感じる。ブルーノ・Sの朴訥とした佇ま>>続きを読む

子供たちの王様(1987年製作の映画)

5.0

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文革がテーマとは思えないほど優しく穏やかな眼差しと、この世のものとは思えない程幽玄な映像と色彩。シシ神やトトロが今にも現れそうな幻想的な世界で山奥の村にやってきた教師と子どもたちの触れ合いと葛藤を描く>>続きを読む

王は踊る(2000年製作の映画)

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脚。

太陽は昇り、沈む。軽やかに踊り跳ね回るようなバレエとは違う威厳を湛えた重厚な宮廷バレエは衣装や小道具も変わっていてまさに輝く太陽のよう。孤独さを感じ芸術を愛する宮廷音楽家リュリとルイ14世は意
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月曜日に乾杯!(2002年製作の映画)

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人の営みは変わらない。田舎も観光地もそこに暮らす人々は煙草をふかし絵を書き歌を唄い月曜になれば工場へと出かけていく。覗きもするし唾も吐くし盗みも働く…ノンシャランと受け入れながら。ゆっくりと進む時間と>>続きを読む

SOSタイタニック/忘れえぬ夜(1958年製作の映画)

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タイタニックは未見というのが私らしく天邪鬼である。今作は一見地味ではあるものの細部ににこだわり史実に忠実、これが事実ならほとんど人災。船がイギリス、資本主義の権化というか上流下流に無慈悲な隔たりがあっ>>続きを読む

鶴は翔んでゆく/戦争と貞操(1957年製作の映画)

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戦争によって引き裂かれる男女、ひまわりやシェルブールの雨傘が思い浮かぶけど圧倒的にこれが好み。カチューシャが流れる映画はそれだけでいい。冒頭流れるワルツの音色と恋人は瑞々しく、隊列を組み旅立つ鶴の群れ>>続きを読む

メトロポリス(1927年製作の映画)

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頭脳と手の媒介者は心でなくてはならない

1時間58分版。開始時に注意書きがあったとはいえ字幕での説明が多く、過去には3時間30分で公開されたという。作品自体が古いものだし分かりやすいだろうと思って見
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炎628(1985年製作の映画)

5.0

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反戦争なのか戦意高揚なのか判断しかねる悲劇と熱狂の両輪。爆撃や掃射のあの迫力はちょっと今まで見たことない。爆音と衝撃波で耳をやられ、言葉はくぐもり、音は潰れノイズと入り混じったサイケデリックな音。戦争>>続きを読む

ソドムの市(1975年製作の映画)

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何がとは言わないけど立派でした。

他作品を見たり事前にエグいという情報があったから普通に見られたけど、前知識なしで見たらやっぱり度肝を抜かれることでしょう。カルトにつられて初めにこの作品を見ると嫌悪
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伽揶子のために(1984年製作の映画)

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この作品に関しては小面倒くさいところは見なくていいと思った。日本や朝鮮に思いを巡らせていたらちっとも入り込めなかったけど、あー映画を見ているんだなぁと思ったら一転、それまでとは全く違う景色が広がってい>>続きを読む

鉄男 II BODY HAMMER(1992年製作の映画)

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色が様々な表情を見せるのが魅力的で温度や感情、機械と肉体のコントラストが生々しく人間味を感じた。ユーモアというか少林寺の門下生のような連中に一々入るバーニング演出がツボ。無機質で人との繋がりの希薄さを>>続きを読む

眠る男(1996年製作の映画)

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様々な視点から生と死を描いたような作品。死んだように眠る男拓次、彼の周りには蝶の剥製や明けぬ夜のように壁に描かれた月と洗面器の星といった死の影が現れる。劇中、星が月の側に寄ると人が死ぬと語られ、空飛ぶ>>続きを読む

吸血鬼ゴケミドロ(1968年製作の映画)

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信頼と不信のせめぎ合い。

墜落した飛行機の中には疑心が芽生え、己に火の粉が降りかかると敵意をむき出しにして攻撃する。暴力反対を訴える外国人女性の変わり身の速さと言ったら…そんな彼らは謎の男の恐怖から
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勲章(1954年製作の映画)

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今でもあの時の代案は出せない。

戦時中は勲章を身に纏った陸軍中将岡部とその子供たちは戦争が終わった今、親戚中から疎まれながら居候している。この岡部親子を軸に国と文化と市民の対比が描かれ、最後は娘ちか
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昆虫大戦争(1968年製作の映画)

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自然破壊系かと思いきや東西冷戦。無邪気に虫取りという侵略行為をする者達は当然のように罰せられる、この辺りは禁じられた遊びを思い出した。虫は人を狂わせる麻薬、傷つける破壊兵器のように制御できないものの象>>続きを読む

日本の夜と霧(1960年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

セリフの複雑さと膨大な言葉がワンカットの長さと相まって張り詰めた空気の中躓きや間違いを生む。その動揺がガラスにヒビが入るようにジワジワと拡がっていく。一つの集合体でありながら性別、身分、時代という分厚>>続きを読む

忠臣蔵外伝 四谷怪談(1994年製作の映画)

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狐の嫁入りのようなお梅一団の狐面と白塗り、最高じゃないですか。現実と非現実の狭間、鮮やかで艶っぽい色彩がとても綺麗。人か妖か…言葉を話さず踊り狂う荻野目慶子、笑ふ男のように不気味な石橋蓮司、渡辺えり子>>続きを読む

化石(1975年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

観光地PRとナレーションがうるさくなかなか入り込めなかったが、ジワジワと欧州の気品と緊張感のある画面に釘付けになっていった。冬のパリ、一鬼は体を壊しパリで心惹かれたマルセラン婦人と瓜二つの死神に魅入ら>>続きを読む

乾いた花(1964年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

60年代の粗く荒んだ町並みがモノクロの映像と相まってギラギラとクールに黒光りしている。映画のどこを切り取ってもハイライトのようで、繋ぎのカットさえも役者の色気が凄すぎて絵になってしまう。村木が暮らす生>>続きを読む

楢山節考(1958年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

リメイクと元になった作品、それぞれが個性的、尚且つ上質で面白いという稀有な作品。伝統的な日本芸能のような音楽と演出で、舞台の幕が下りるように場面の切り替わりがワンカットで展開する。家屋は勿論、山道や、>>続きを読む

死の棘(1990年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

「新しい過去をたくさんつくろう」

始まった瞬間から言い合う夫婦と襖にぶちまけられたインクのシミに不安がよぎり、小津安二郎を彷彿とさせる神経質なまでに拘った小道具と人の配置、無機質で感情を削ぎ落とした
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テオレマ 4Kスキャン版(1968年製作の映画)

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シュールな寓話。

聖書、歴史、政治、文学、絵画辺りの知識があればもっとよく分かるのかもしれないけど、この意味不明さも魅力の一つ、難解で底が見えないほど深くに沈められた何かに惹かれてしまう。平和に暮ら
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鉄男 TETSUO(1989年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

80sアンダーグラウンドの雰囲気が凄く良くて、OVA風のエロ・グロ・ナンセンス+シュヴァンクマイエル風のアニメーションと、機械的なポスト・パンク風のサウンドがピッタリ。地上の好景気への不満と不安からか>>続きを読む

ダゲール街の人々(1976年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

監督の住まいの近所ということで皆顔見知りなのか、自然な距離感で撮影していた。冒頭で語られる店員とお客の暇な時間をそのまま映すというのはアケルマンに受け継がれているんだなぁと思ったり。街の住人は個性的で>>続きを読む

ディア・ハンター(1978年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

戦争前、戦争体験、戦争後の3部構成になっていて、かけがえのない日常と兵士の負った傷跡を丁寧に描いていた。他愛ない日常から幕を開け、仲間の結婚と希望に満ちた未来を表現したダンスの哀愁を帯びたロシア民謡が>>続きを読む

夢の涯てまでも ディレクターズカット 4K レストア版(1994年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

この時代までの集大成、ほとんどの要素が入っているのではなかろうか。そこに記憶や新たな時代の幕開けといったテーマで、ラ・ジュテや2001年宇宙の旅を引用していたり。1999年という一つの時代の終わりから>>続きを読む

ラ・ポワント・クールト(1955年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

写真家としてのヴァルダを強く感じた作品。漁師たちのネオレアリズモ的な作りかと思ったら一転、恋人達の心象風景のようなカットがあまりに強烈で引きずり込まれてしまった。この二人の歩く浜辺に映る工場や黒煙が海>>続きを読む

暗殺の森(1970年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

この作品と暗殺のオペラは違った映画の見方を教えてくれた大切な作品。4K配信されてたので見返してみるとストーリーはさほど重要視しないので難解でも問題なく、約束された映像美によって終幕へ。ネオンライトに照>>続きを読む

ミッション(1986年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

川の流れや滝の飛沫の勢い、断崖の迫力、木々の生命力、そしてそれらを征服しようとする人の力強さ。以前、低画質DVDで見た時よりも断然素晴らしく圧倒されてしまった。このような映像や演技を見せられては映画と>>続きを読む

裸の幼年時代(1968年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

この作品の主人公フランソワは子供にも関わらず人間味はなく驚くほど不気味。子供はペットのように従順ではなく、可愛く無邪気な一面と意地悪で残酷な一面があって、この映画はその邪悪さを執拗なまでに見せつけてく>>続きを読む

DAU. ナターシャ(2020年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

速射砲の如き会話劇が延々と続き、終盤にやっと本題へ、そして女性が狂っていくさまを描くというのはジョン・カサヴェテスのようだった。舞台は狭く局所的で、登場人物も多くない。ストーリーのようなものは感じられ>>続きを読む

楢山節考(1983年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

ヘビはネズミを喰らい、時にその身を差し出す。そんなイメージ映像がこの村で行われてきた悲しい風習のそれと重なる。ネズミ子が増えれば糧は減る、いくら煮ても豆は増えない、食べる物がなければ弱い者から減らして>>続きを読む

ベルリン・天使の詩(1987年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

映画を見始めた頃この作品に返り討ちに会い、もうこんな監督の作品なんか見ないと思っていたけど、今では最も好きな監督の一人になってしまった。

天使は守護者、観測者となり“神の視点”として世界の外側から歴
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ラストエンペラー/オリジナル全長版(1987年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

ミンストレル・ショーが見られる!

以前見た通常版ほど没入感はなかった。やはり言語による違和感が大きく、中国映画が好きになったことが大きいように思う。正直、溥儀や国の隆盛なんかどうでも良くて、主役は紫
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鍵 THE KEY(1997年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

劇薬と媚薬、慣れるということは恐ろしい。

愛という一字にどれだけの感情、欲望が絡み合っているのか、あまりに複雑怪奇で紐解く事はできないだろうと思う。愛なんてものは何かの集合体で不純が当たり前、純愛な
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