このレビューはネタバレを含みます
全てが現実である原作寄りの話か、はたまた精神錯乱者の夢現の話か…多分そこの答えはヒッチコックの“めまい“や”サイコ”を登場させている事からどちらとも取れるような演出にしている気がした。何なら未来世紀ブ>>続きを読む
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戦後、過去を禁忌し忘れ去ろうとする人々に対するカウンターのように1943年こそいい時代だったというこの映画。美しいモノクロや照明が暗く暗澹たる影の時代の遺物を華々しく美化し、薬や死こそ救済であると言わ>>続きを読む
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何がいいのかさっぱりわからない…人の多い群像劇もセリフ過多の会話劇も苦手なのに只々深く心に残っている。ひたひたと忍び寄る足音、お金で全て奪われてしまう不安、みんな別の方を向いてい顔を合わせて話もしない>>続きを読む
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ラフォンの自室には彼の暗部が見え隠れしていて、そんな人間が嫌な奴やってるもんだから見ている分にはさほど嫌味に感じなかった。アルジェやドイツ占領時下の出来事を思い起こさせるような過去を持つ老婦人の自殺に>>続きを読む
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ドイツの幻影と煙に包まれた夜の橋に取り残された少年たち、あの一連の場面は冴え渡っていた。敗戦寸前の形骸化した国と爆破寸前の無価値な橋を守る少年たちの無意味な戦い、ポケットの中の戦争を思い出した…あぁ、>>続きを読む
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突然炎のごとく燃え上がる何か。それは嘘であり情熱であり本であり人間、そして戦火。本能のまま行動し、理性が働かず抑制が効かないカトリーヌの奔放さは、川へと飛び込んだ際に流れていった帽子がその事を印象付け>>続きを読む
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難解なトイ・ストーリーって感じかなぁ…前作は精神、今作は肉体…肉体に執着のない素子と未練のあるバトー、二人の性格がそれぞれのテーマにピッタリだった。原罪と不完全な人間、完全な神と対極にある無垢なモノ…>>続きを読む
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もし、この作品が既に検閲が入り、手直しされた後の作品だったとしたら…娘を撮るために買ったカメラ、映画祭での受賞、破棄したフィルム、それらの場面で挿入される酩酊としゃっくりはこの映画の製作者による抵抗な>>続きを読む
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無言の人の群れ、何か伝えようとするでもなくただそこにいる人達。国は彼らを雇用を求める建設賛成派だと言って強引に開発を始めるけれど、そもそも両者の関係は既に断絶していて群衆の真意は分からない。監督官に任>>続きを読む
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産み育ててくれた“大地”、“大河”のように時は流れ、そして大きく力強い“大樹”へ…一人の人間の成長譚は次の世代へと繋がっていく。幼かったオプーは村から町へと旅立ち、親からも巣立った。身体は大きくなり、>>続きを読む
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見事に整えられた庭の模様は乗り込んできた武士達に無残に踏みにじられ、その残骸の下に葬られる二人の男女。竹光による切腹のようにある種の欺瞞を視覚化した上で非常に美しい画を見せてくれる。ただ切腹の存在が大>>続きを読む
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痛恨のミスで先に大樹を見てしまった…けど概ねのストーリーは淀川さんから説明されていたのでさほど気にはならなかった。サヨナラだけが人生だ、時間はガンジス河のように流れ、子供は成長し親元を離れる、そんな親>>続きを読む
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何処までも爽やかで瑞々しく澄み渡る空気、控えめだけど印象に残る音楽、静かに語られる人間の微かな機微。悲情城市もそうだったけど言葉が浮かばない…ただ、自然、人々、街並み、郷愁を誘い雄大で美しく神聖だった>>続きを読む
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音楽:ラヴィ・シャンカール!?誰しもが迎える死、黒煙を吐いた汽車が斃れた人を迎えにくる。おばさんの亡骸の近くには筍が顔を出し、盗んだ首飾りの入った御椀には蜘蛛、これらは輪廻を感じさせ、おばさんの肩掛け>>続きを読む
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これまで悲しみや涙、不安の表れだった雨はカラダいっぱいに降り注ぐ喜びや幸福のようで、作品全体が底抜けに明るく楽しいからこそ哀愁漂うこの場面は印象に残る。三人の踊りは各々の個性を良く表しているし、骨組み>>続きを読む
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どう考えても好みの作風なのにどうしても入り込めないブレッソン監督。バルタザール、田舎司祭に続いて三作目、やっと面白いと思えた…と言ってもブレッソンだから良かった、というよりもサスペンスとして面白かった>>続きを読む
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実写を混ぜた特撮やメトロポリスで使われたシュフタン技法、火災の合成などさすがの特撮技術で57年公開というのに驚いた。以前、何かでキノコ雲は水にインクを落とし入れて表現したと言っているのを見た気がするけ>>続きを読む
クレズマーは屋根の上のバイオリン弾きやクストリッツァ作品で流れるような曲で不思議な哀愁が漂っています。
伝統音楽は形として残しておかなければ消滅してしまうというのは悲しい事実で、これまで多くの方が現>>続きを読む
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素朴で朴訥、静かで穏やか、そんな映画だと思ったら…タイトルの孔雀、その心は求愛で生々しく痛々しい場面も出てきて、直接、隠喩、抑圧、そして奔放、様々な形で性が描かれる(性交渉は無い)。子供たちは父に無能>>続きを読む
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サウンド・オブ・ミュージック以来の…というかそれ以上の衝撃。ナチ台頭前夜、ドイツ国内の混沌とした空気の中繰り広げられるあのアングラで妖しさ抜群のキャバレーはカルト入ってる。ハンセン病や梅毒といった不安>>続きを読む
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黒い下着を身につけた女を食ったガチョウはトリュフにされ、皿洗いは洗い清め、料理人は火葬し、埋葬は胃袋へ。ドギツい原色が映える映像と絵画のようなワイドスクリーンと横移動。いろいろな食材がありすぎて咀嚼で>>続きを読む
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序盤の会話劇で拒否反応出たけどそれ以降は好みの映像演出で楽しかった。映画であることを強調し、様々な作品の引用とイメージで形作られたコラージュのようで映画を映画したような作品…と、まぁよくわからないとい>>続きを読む
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三部構成のようになっていて、その始まりは戦争は娯楽とでも言わんばかりの空騎兵師団。波に乗るため敵地を制圧する波乗りキルゴアはヤキニクの堂ヶ島そのまんまで、立ち居振る舞いやナパームの件が面白すぎてリピー>>続きを読む
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コーリャン、ランタン、そしてルージュの紅三部作の最終作。中国の歴史を思わせる隆盛と没落や女性の悲劇と連鎖が描かれ、圧倒的な色彩と映像美が幻想と幻惑の世界へ連れて行ってくれる。ミュージカルのように音楽が>>続きを読む
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アラビアンナイトの世界でありながら、世界の境界線が取り払われたパゾリーニの世界、それはとても神秘的。衣装、建築の美しさが殊の外際立っていてクリムトの絵画のような宮殿や青のモスクなどの存在感…と少々のロ>>続きを読む
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無感情で映像も冷たいのになんでこんなに暖かくて人間味に溢れているんだろう。友人のために娘の貯金箱からってのは褒められた事じゃないけどなくなってほしくない感情だよなと思う…と思ったけどやっぱりダメよね、>>続きを読む
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もう笑った笑った、ラヴィ・ド・ボエームに匹敵するくらい可笑しかった。電車ジャックするわ、力技でヒッチハイクするわ、みんなフランクだわ、ペッカは変な喋り方するわ、「芝居だ」…死ぬ、「送って行くわ」…方向>>続きを読む
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この世の中決して変わらないものなど存在せず、驟閣寺さえもマッチ1本で醜く変わってしまう。あれだけ立派だった寺も燃えカスになってしまうのにどうして人が変わらないということがあるのか。父と重ね憧れた住職も>>続きを読む
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何処か似たところのある楢山節考や砂の器は自然の圧倒的な力強さや美しさは素晴らしかったけど人工的な映像美があまり感じられなくてその点では物足りなさが残ったけど本作は大いに満足した。ジャケットになってる門>>続きを読む
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青い瞳を持つ狂人と倒錯者、そして仔羊。好奇心を見透かし誘うように覗き込む誰もが抱き惹かれる人の暗部。いや、皮剥ぎインディアン対人喰いガンマンというアメリカに刻まれた暗部かもしれない…あのクローズアップ>>続きを読む
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果たして渡辺の人生は無駄だったのか…自分の為の贅沢などせず、息子の為に判子を付くだけの機械となり、ただ無駄な時間を生きてきたという。その息子も自分の余命が短いと悟り振り返ると、今や幼かった彼はおらず、>>続きを読む
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なんかSFの皮を被った神話という感じがした。冒頭の発砲で神殺しを示唆した後、ドラゴンを追うものはドラゴンにというセリフからもゼッドは神になったんだろうし、死をもたらすゼッドと最大の殺戮者の神。人間社会>>続きを読む
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舞台が海外なのでいつもの顔が見られないのが残念。恐らく原住民や修道士、アマゾネスまで吹き替えで、現地人ではできないであろうアクションとキレ、香港のレベルの高さたるや…スタントやワイヤーも見事で如何に綺>>続きを読む
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今回は麻薬と環境問題。クライマックスのラストバトル、スパルタンX→サイクロンZ→ゴージャスの流れを追うと結構くるものがある。この時のユン・ワーがユニークでジャッキー作品でも異質で好きなキャラクターの一>>続きを読む
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エロス+虐殺並みにワイドである必要性を感じる。計算された構図と、カメラや対象の動き、アップの彫像、部屋と家具、そのどれもが素晴らしい。とは言っても男女の会話劇がキツイ…トリュフォーもだけど言葉多いわク>>続きを読む