このレビューはネタバレを含みます
2021/9/10(金)
話が浅いと思った。
父親(クライド)の執念と頭脳がすごいのに、なぜか詰めが甘く感じた。
10年間で復讐の準備を整え、計画のスタートの切り方も良かったと思う。
しかし緊張感が持てなかった。
クライドの復讐の対象が、個人から団体・世間へと規模がだんだん大きくなっていったからだろうか。
父親の目標がぶれているように感じて、彼の戦略が、どこを目指しているのか疑問に思う。
世間を巻き込むことは無関係の者を攻撃する事となり、彼の信念と矛盾する。
地面に埋めた箱の中に、人質を生かしたまま酸素ボンベと共に入れて、期限をきっちり守ったところは面白かった。
警察側が時間の約束を守らなかったことで、箱の中の人質の命の責任が、クライドと警察に二分されたからだ。
正義の側に立っていたはずの警察を、だらしのない犯罪者に貶めた。
そこがピークだったかな。
クライドの家に踏み込んだ警察を、わざわざ裸で出迎えたクライドが、家から連れ出される時にしっかりジーンズを履かされていて面白かった。
もし復讐をやり遂げたなら、父親がその後どんな風に生きるのか見たかった。