セキ

青い春のセキのレビュー・感想・評価

青い春(2001年製作の映画)
4.5
久しぶりに観た。最後が良すぎて観る度に感情を引き摺り回される。
衝動だけがそこにいて、少年たちは一体どこに向かって何をしたらいいのかすら分からず、自分の中に暴れ出す何かを必死に押さえつけながら日々を送る。
自分が一体何を求めてキレているのかがわからないのだ。太陽の光を浴びた時に、自分は常に何か間違っているのではないかという罪悪感。
金太郎飴のようにどこを切っても同じ地獄。しかしそれを屋上から眺める松田龍平は天国だと言う。
学校で呑気に流れてゆく時間と彼らの中だけで起こる暴力たちは溶け合い、これで映画は心地よく安定する。
ミッシェルと言い松田龍平と言い、これはこの時代にしか起こり得なかった奇跡だと思う。才能とかでは作れない代物。
こんなものを作られてしまってはもうどうしたらいいのかわからなくなる。
セキ

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