このレビューはネタバレを含みます
今回初めてアル・パチーノをアル・パチーノだと認識しましたが、彼のやや滝藤賢一感がすごく気になりました。のし上がるまではかっこよかったです。ただ器の小ささにはガッカリしました。頭領の資質ゼロです。人の話をろくに聞かず、後先を考えないところも好きになれませんでした。出自が貧しくて、愛情をまともに受けたことがないので、愛に飢えていたんだと思います。でも手にした富のせいで、周りの人間が信用できなかったようでした。衣装やら豪邸やらも全体的に成金趣味で好みではなかったです。そんな具合で、トニー・モンタナにはほぼ感情移入できませんでした。というのもきっと、父に似た何かを感じたからだと思います。長い尺を感じさせないくらいにはよかったんですが、とにかくイライラする映画でした。間違いなくおもしろかったんですけどね。