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砂の惑星のvdkdのネタバレレビュー・内容・結末

砂の惑星(1984年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

昔頓挫した記憶があり再挑戦。

要素で考えると傑作の数歩手前くらいなのに着地は佳作という安全圏からしっかり外れている素晴らしい、そして勇気ある博打映画だった。

重厚な史劇のようなテンポ感、言ってる事やってる事に対してフェティッシュを感じない場合はただただ回りくどいかったるい導入。
スターウォーズの垢抜けたポップさと端折りの上手いテンポ感を世界が体験にした後にここを目指している時点で浪漫がある。何より軍同士の大戦シーンがこれといったギミックや作戦みたいなものはなくザックリ壮大にその戦闘模様を魅せる辺りが絵力はあるのに早送りしたくなる焦ったさがちょっとイイ。

また、シーンの移り変わりも有機的ではなくて常に第何幕終了みたいな感じでブツ切りっちゃあブツ切り。集中力を削ぐ気もするけどイチイチやってる事が面白い故に独特な下手ウマ感。※狙っていない、転がった先って所に旨味を感じちゃう。

美術面は他の追随を許さぬスーパーエピック。設定上のサイエンス感とビジュアライズの表現が終始ワンダーかつキモくて最高。デカダンスな支配体制に居る耽美な悪魔としてのスティーブもバッチリ。決闘シーンはもうちょっと工夫して欲しかったけど。後ハルコネン家周りに気合い入り過ぎて皇帝サイドがインパクト弱いのはちょっと残念。

主役のポールも最初から最後まで頭の中宇宙人系男子でニューエイジ的な主役とは正にコレだ!という説得力。異名とか通り名とかがコロコロ変わるのと、呼ばれた名乗った時の荘厳だけど「え?」感もイイ。

諸々ディスってるようで褒めてます。唯一無二。
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