benno

ヴァルハラ・ライジングのbennoのレビュー・感想・評価

ヴァルハラ・ライジング(2009年製作の映画)
3.8
N.W. レフン監督作品9作目。

超自然的な力を持つ片目のワン・アイ。彼は長い間、異教徒の奴隷として捕らわれていました。しかしそこから、ひとりの少年と共に脱走、旅へ出ます。道中、バイキングに遭遇し聖地エルサレムを目指すことに…

とにかく時代も場所も不明…説明らしきものは一切語られません。

北欧神話をベースにしているらしいのですが、それがどのようなものなのかも作中知る術はありません。ただ、神話特有の独善的で突拍子もない世界が繰り広げられます。
元々、非論理的な神話なので、素晴らしい映像を追うだけでも十分楽しめます。

レフン監督の作品は寡黙な主人公が多いですが、今作は究極、主人公はひとーーっ言も喋りません。
マッツファンには残念かもしれませんが、しかしながら、演技で魅せまくります…と言うか、殺しまくります。

そしてレフンと言えば映像…画だけでもずっと観ていられます。今作は神話が題材なのでとても神秘的…また戦闘シーンでは青白く劇画風でもあり、随所に真っ赤な海を映し出し惹きつけます。どうしたらこんな色が出せるのかと感動しっぱなしです。

構図も素晴らしく、人物のアップも多用して、こちらも劇画チックで魅せつけます。

因みに、ヴァルハラとは最高神オーディンの宮殿のことを言い、北欧神話では天国を意味するそうです。そしてそのオーディンこそが片目であったと…
benno

benno