カーペットがある限り

暴走機関車のカーペットがある限りのネタバレレビュー・内容・結末

暴走機関車(1985年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

こんな、善と悪、生きることと死ぬこと、人間の尊厳を、情け無用で短い時間で考えさせられた映画はなかったわよ!

それ以外の要素はすべて雪!
「勘弁して」って暴走する機関車から降りようとした瞬間に死ぬ絶望しかない。

個人的には、レベッカ・デモーネイの美しさを武器にしない果敢な演技が見事!

絶望的な状況でも生にどこまでもずるくしたたかに執着するけど、ジョン・ヴォイト演じる兄貴分の脱走囚の息遣いや背中を見て、どんどん瞳の色が変わっていくエリック・ロバーツは、マッチョすぎる肉体も最高だった!

なんと言っても、今のコロナウイルスでもうじゃうじゃと現れた「自粛警察」と同じ思考回路を持つ鬼刑務所長が凄まじい執念で追いすがるのに対し、悪の限りを尽くしてきたジョン・ヴォイトが、白目と歯を剥き出しにした恐ろしい顔で対決していくのは、まさに今の自粛社会、そしてこれからの未来への大きな教訓になるわ。