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少林寺三十六房のJAmmyWAngのレビュー・感想・評価

少林寺三十六房(1977年製作の映画)
4.7
「溜飲が下がる」ってこういう事をいうんですね!

修行を積み、体技を身に着けるためには、閃きや勘なんて必要じゃない。とにかく反復あるのみ。そして血がにじむ程(実際、フツーに血を垂れ流しているけど)の反復の果てにこそ、着想が後から着いてくるのだ。そうして最強のロマン武器「三節棍」が作られたのである。
三節棍はこの映画で使用されて、一気に有名になったそうだ。

とにかく修行シーンに時間を割いている修行映画なのだが、その修行で身に着けた体技が、実戦で必然性を伴って炸裂するカタルシス。「この問題、進研ゼミでやったやつだ!」よろしく、「この動き、三十三房でやったやつだ!」とか「三十二房の修行はこんな風に役立つのか!」というように、努力が実る瞬間を何度も目撃する事になり、ただひたすらアガる。

しかもそれが、あの憎いクソ野郎に対して炸裂するこのカタルシス。もう脳汁は溢れるわ溜飲はだだ下がりだわ、快感すぎて私はアホになりました。

と書きましたが、少林寺入門に至るまでの経緯、修行後の展開など、映画としても、とても真っ当で誠実な映画だと思います。

ONE PIECEの人気が増すたびに、逆説的に自分は「ドラゴンボールって修行シーンがあるから好きだったんだなあ」と気づかされたものですが、まさにその精神で出来ている映画です。
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