このレビューはネタバレを含みます
着眼点は気が利いているが、結末が弱く残念。
並行理論との結びつきと崩壊が幻覚だったのなら、ラストの過去の再現映像は蛇足だったように思う。キムテフン氏じゃん。もったいない。
そんな薬を飲みながら裁判長やってたいたのかあぶねえな。
長髪ハジョンウ氏の鬼ビジュ。チェイサーが08年なので1年後にこんな2番煎じの役をやっていたとは。
血だらけになりながら事実を告白するパクビョンウン氏、最初の爽やかさの方が怖いわ。
義父、並行理論なんてトンデモ科学を信じきってガンギマリの婿に詰め寄られていたなんてかわいそすぎる。
09年、カラーフィルターで手持ちっぽく撮るドイル×カーウァイの絵作り全盛期の影響も感じつつ、横腹に突っ込むトラック、幸い軽傷主人公、無駄死にする元刑事、断りなく発砲する検事、軍事政権下の法曹界を隠蔽の言い訳にするなど韓国映画の定番も散りばめられた欲張り仕様。
オチは並行理論のトンチキ科学に心酔していたハジョンウ氏が理論を「正解」にするために記者とチジニ氏に手をかけていた、ってことでいいのかな。不明瞭だったけどそういうことですよね、、、
この頃すでにJSAやペパーミントキャンディ、殺人の追憶の公開後なので韓国映画界の盛り上がり、商業作の作家主義流入と作家主義映画の予算増で商業作とインディペンデント映画の接近があったのかなと思った、つまり「映画がお金になるビジネスになった」蠢きを感じた。ああこんなふうに世界に出ていくぞってルネサンスを興していたんだ、ハングリーさを今につなげていたんだなと当時を想像した。