第11回カンヌパルムドール。同年の「死刑台のエレベーター」、「灰とダイヤモンド」と共に、映画制作手法に大きな革命をもたらしたと言われる作品。ソ連の反戦映画。
評判どおり凄い映画だった。縦横無尽、かつ画角の決まったカメラワークに度肝を抜かれた。ドローンなどない時代にどのように撮ったのか?少し調べてみたら35㎜の手持ちカメラを使っているらしいのだが…。上下移動はクレーンしか考えられないが、あまりにもスムーズで魔術のようだ。
ストーリーはシンプルで、戦場に行った恋人を待つ女性の葛藤を描くものだが、主演女優の繊細な演技と超絶カメラワークのシンクロに目が離せない。大きな絶望の中で小さな希望を見出すラストはこの上ない映像表現も相まってとても感動的だった。
CGに頼らない映像の素晴らしさを再認識させてくれる、オールタイムベスト級の一本。