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アメリカン・グラフィティのpicaruのレビュー・感想・評価

アメリカン・グラフィティ(1973年製作の映画)
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【宝物の話】

『アメリカン・グラフィティ』観ました。

1973年のアメリカ映画。
高校を卒業したばかりの若者たちを描いた青春群像劇。

『スタンド・バイ・ミー』を観たばかりの私に、映画の師匠から
「そのまま直ぐに『アメリカン・グラフィティ』を観なさい。特別のプレゼントが用意されています」
とメッセージが届き、寝るのも忘れて早急に鑑賞。
『スタンド・バイ・ミー』に関するシーンがあるのかな?
と思ったが、よく考えてみれば、『スタンド・バイ・ミー』公開は1986年。『アメリカン・グラフィティ』よりも後なので、ん、おかしいぞ? と(笑)
不思議に思いつつ、答え探しの冒険へ。

この冒険にはたくさんの発見があった。

びっくり①
ジョージ・ルーカス監督映画!!

この作品はなんと、あのジョージ・ルーカス監督なのだ。
『STAR WARS』の印象が強すぎて、こんな青春映画も作っていたのか!! と目をパチクリ(笑)
しかも、町のカーレース王であるボブ役には、STARWARSのハン・ソロで有名なハリソン・フォード!!
さらにさらに、卒業した高校の生徒会長だったスティーヴ役にはロン・ハワード!! 映画『ハン・ソロ』の監督だよ!?
ロン・ハワード監督って元は俳優だったんだ!! とこれまた衝撃(笑)

びっくり②
車のナンバーが!!

本編のほとんどが登場人物が車に乗っているシーンであり、当時のアメリカの車がたくさん出てくる。車好きにはたまらない映画だと思う。車内で流れるラジオが、実に絶妙な効果で映画を彩っている。60年代のアメリカを知っている人は懐かしいと感じたりもするのだろうか。
そんなことを考えていると、ボブと同じくカーレースで有名なジョンの車のナンバーに目がいった。ナンバープレートには記されていたのはこんな文字列だ。

「THX 138」

これは.....!!
“THX”の文字でピンときた私は、鑑賞後すぐに検索した。
やっぱりそうか。
『THX 1138』
ジョージ・ルーカスのデビュー作である。
映画の中にジョージ・ルーカスの遊び心を発見できてラッキーだ(笑)

びっくり③
ラストシーンで答え合わせ!!

そろそろ映画も終わりの時間だ。
映画の師匠が話していた「プレゼント」はまだ見つからない。
見逃したのか.....? と少々焦る。
だけど、最後の最後まで観た私に、映画はとっておきのプレゼントを運んでくれた。
宝物は、映画の中ではなく、映画と映画のつながりの中に隠されていたのだ。
『アメリカン・グラフィティ』の主人公・カート役のリチャード・ドレイファスは、『スタンド・バイ・ミー』の主役であるゴーディの大人時代を演じている。
『スタンド・バイ・ミー』で忘れられない2日間の旅をした少年は、『アメリカン・グラフィティ』で将来について悩む青春時代を過ごし、再び『スタンド・バイ・ミー』で過去の回想にふける大人になる。
なんてすてきなことだろう。
二つの作品を通して、ひとりの男の子の成長を見守ることができるのだ。
この宝物の秘密はエピローグでやっと発見できるのだが、宝箱はぜひみなさまに開けていただきたいので、あえてここには書かないでおこう。

映画はやっぱりおもしろい。
そう信じることが、映画に隠された、まだ誰も知らない宝物を見つける鍵になってくれるにちがいない。
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