三樹夫

ルールの三樹夫のレビュー・感想・評価

ルール(1998年製作の映画)
2.2
90年代後半にまとめてつくられた、学生が殺人鬼に襲われるティーン向けホラー作品群の一つ。『スクリーム』→『ラストサマー』(脚本家が『スクリーム』と一緒)→『ルール』(プロデューサーが『ラストサマー』と一緒)という流れで製作されているため、既視感や似たり寄ったり感あるのは当然というか、この映画は『ラストサマー』からジェニファー・ラブ・ヒューイットを引っこ抜いて、ジャレッド・レトをまぶしたみたいな感じ。ジャレッド・レトがいるとはいえ、ジェニファー・ラブ・ヒューイットのいない『ラストサマー』なんてどんなもんかというとお察し。『ラストサマー』冒頭で鉤爪の男の都市伝説を話しているシーンがあるが、都市伝説要素を強調し、都市伝説を模した殺人が次々と起こるというので作ったのがこれ。現代はUrban Legendで直訳で都市伝説となるので、邦題も都市伝説でいいのではと思うが、なぜかルールとなるという謎邦題映画。

車に殺人鬼がとか、電気つけなくてよかったななどの都市伝説通りの殺人が起きるのだが、さすがに無理があるだろと。都市伝説通りに人が次々死んでいくという展開に当てはめてキャラを動かしているので、こいつらどんだけバカなんだ+殺人鬼はジェイソンレベルのモンスターかっていうぐらいご都合主義のガバガバ。
車に殺人鬼がの都市伝説殺人は、スタンド店員へとミスリードさせ逃げるように車を出したら実は後部座席に殺人鬼がいて殺されるという展開のために、スタンド店員をろくに会話もできないような男にするという安易で低い演出力。
車の上に首吊り死体の都市伝説殺人は、大人男性一人を担ぎ上げて首吊り仕掛けをつくる、短時間に死体の運搬という、無理に決まってるやろそんなもんというご都合。大人の体を軽荷物扱い。他の都市伝説殺人でも殺人アートの飾りつけやら死体の運搬やら隠蔽やら、無理に決まってるやろそんなもん。主人公への復讐のための殺人だけど、関係ない人が都市伝説を模して次々殺されていくというガバガバっぷり。都市伝説を模した殺人が次々起きるというハイコンセプトの元、あいつ怪しいこいつも怪しいというフーダニット入れて、実はこいつが犯人でしたのサプライズ入れて、みたい作り方なのでガバガバになるのは必然。

『ラストサマー』ではメインの4人の倫理観は最低だが、住民の民度はわりかし普通だったので物足りなさを感じていたが、この映画では民度の低さが復活。日本よ、これがFランだと、ジャレッド・レトがゲス学内新聞を号外配布。ジャレッド・レトって目が凄いサイコパスっぽくてステキ。後、学内放送が『ビバリーヒルズ高校白書』ぐらいゲスい。主人公グループのジョックス野郎2匹(金髪黒眉毛とルームパーティーマン)がウザい。金髪黒眉毛はメントスコーラの死んだふりとかキショいし、ルームパーティーマンはパーティーの時の振る舞いがキショい。主人公の倫理観も低くて、煽り運転かまして、別に私が運転してたわけじゃない、途中からいけないと思ってたけど怖くて注意はできなかったと、被害者ヅラと正義ヅラで居直るゴミクズという、サイコパス大学生の青春。
三樹夫

三樹夫