2001年のキム・ギドク監督作品。
1970年代、米軍基地に翻弄される3人の若者を軸にした物語。朝鮮戦争の爪痕が色濃く残る背景が印象的。一人一人のアイデンティティーが否定されていくのがやるせないし、その中でも何一つ成すことができないチフムの悲哀の強烈なこと。後半は3人だけじゃなくて家族までも追い詰めていくキム・ギドク監督が本当に恐ろしくなる。あまりにも救いがないラストに目を覆いたくなるけど、片目の3人が並ぶ、あの画は傑作でした。
もうキム・ギドク監督の新作を見ることができないなんて堪えられない。