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阿部一族のtheocatsのレビュー・感想・評価

阿部一族(1938年製作の映画)
4.1
注意:このレビューは深作欣二監督テレビドラマ版について。
テレビ版のせいか項目がなかったけど記録のために


一国の藩主が死の床に伏し、忠臣らが殿逝去の折には「殉死」したい旨申し出るが、死の際にありながら殿は「殉死せず次の殿に仕えよ」と厳命し息絶える。
ところが、殉死者が後を絶えず18名に達する。そして、殉死しなかった者らに対するざわざわとした中傷が蔓延。
新しい藩主となった若君は藩命として「殉死まかりならぬ」とお触れを出すが、先代の忠臣であった阿部一族の当主が中傷に我慢ならず自らに刃を向けた・・・

それからがさらなる一族挙げての大騒動となるのだが、現代的冷めた視点では「アホくさ・・・」となる顛末でありながら、深作演出がなかなかに素晴らしく、一族の武士としての矜持ゆえのやむに已まれぬ事の次第だったんだなぁと共感めいた物さえ生じてしまった。
テレビ版でこの出来なら大したもんだと思ったね。


ただ、史実としては一応あるようだが、大半は原作者:森鴎外の脚色とのこと。
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