あまんだ

ブレックファスト・クラブのあまんだのレビュー・感想・評価

ブレックファスト・クラブ(1985年製作の映画)
3.6
休日の補修授業に集められた高校生5人。人気者っぽい子、スポーツマンタイプ、ガリ勉タイプ、変わり者、不良っぽい子、タイプがてんでバラバラ、普段なら学校が同じでも関わる事の無い5が、同じ空間で半日を過ごしたところ…。

先日、「ルース・エドガー」を観たが、根底のテーマは同じ。他者から観た自分のイメージから抜け出せない若者の葛藤。
かつ、親が絶対権力ではないと気付き始める年頃でもあり、うちなる孤独感とも闘う年代でもある。
何十年経ても変化するものではない普遍的な悩み。
現代社会に生きる人々もだが、本当に深刻に悩んでいる事は、一番仲のいい人には言えない。嫌われたりしたくないから。つまり、自分のイメージを壊したくないから。だから、彼らは本音で話し合えた。違う世界の人間同士だから。
目に見えずとも、ハッキリとある境界線。
今なら、そういう悩みは、SNS上の知らない人などに吐き出す人が多いのかな?

思いきって、それぞれの悩みを打ち明けあっても、日常に戻れば彼らが重なりあうことはない。それぞれのイメージに再び戻っていく。本作で、はっきりとその件に触れた場面は、はっとした。
言うんや、それ!と。

彼らは、今、自分達のイメージと言う箱が小さくなってきて、バラバラに壊れる寸前の世代なのかもしれない。その箱がバラバラに壊れた時が、大人になる時。
物語の最後、彼らの箱は、少し壊れかけていた。人の意見に左右されず、好きなものを好きと言えるように。
あまんだ

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