超空間コベ

処女の生血の超空間コベのレビュー・感想・評価

処女の生血(1974年製作の映画)
4.0
前作『フレッシュ・フォー・フランケンシュタイン(悪魔のはらわた)』の
兄弟分的な作品。いや、つながりとかは無いんだけど。
主要キャラの俳優陣がそのまま続投している。
『~フランケン』が午前中にクランクUPしたその日の、
午後からクランクINしたらしい。

前作の変態的なドタバタ劇から一転、耽美的で儚さ漂う物語。

1920年代。価値観が大きく変動しつつある時代。
まもなく、貴族や労働者といった階級が意味をなさなくなる。

今作に登場するドラキュラ伯爵は、それらを象徴する存在として登場する。
この作品のドラキュラは、決して強くなく、
哀れなほどにヨレヨレで苦しんでいる。
さらに、穢れた血を二度も飲まされて、ゲロゲロ吐きまくる。☆
古典に生きる存在が、終焉を迎える時が来たのだ。

使用人である主人公・マリオも、それを象徴するキャラのひとり。
ことある毎にロシア革命を引き合いに出し、共産主義的な発言をし、
貴族であるドラキュラと対峙する。

ドラキュラ役のウド・キア、役作りのため10kgの減量を依頼されたらしく、
絶食して本当にフラフラだったらしい。

あと、ロマン・ポランスキー監督や、ヴィットリオ・デ・シーカ監督が出演してるよ!

ヴァンパイア、貴族、共産主義、セックス、そして革命。
色々盛り込まれて映画としての完成度が高かったけど、
個人的にはやっぱり『~フランケン』の方が好きかなぁ。
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