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時計じかけのオレンジのpistacchioのレビュー・感想・評価

時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)
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強烈なアイロニーとアンチテーゼが織り交ぜられている作品。
古臭さを感じさせない映像で、色使いの美しさだったり、近未来的な雰囲気が素敵だけど、バイオレンスの描写が過激で後味はよくなかった…言わんとしていることは理解できても私は苦手。
結局、人間の機械化はできないし、暴力はなくならない。人間の持つ「欲」や「暴力性」を誘発しているかのような映像はとても震撼もの。最後のシーンにはゾッとした。
時が経ってまた観る機会があったとしても、相当な勇気がいりそう。しばらくこのシニーをビディーするのはアピ・ポリ・ロジー。

---memo---
タイトルの『時計じかけのオレンジ』とは、元々ロンドン東部の労働者階級で話されていた「コックニー」と呼ばれるスラングで「表面上はまともに見えるかもしれないが、中身はかなり変」という意味。(「Queer as a Clockwork Orange」”時計じかけのオレンジのように奇妙な〜”という言い回しがある。)
また、原作の作者が一時期滞在していたマレーシアの言葉で、人間のことを「orang」(オラン)と言い、「A Clockwork Orang(e)」=「時計じかけの人間」という風にも解釈できる。
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