扇

時計じかけのオレンジの扇のレビュー・感想・評価

時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)
4.7
そもそもバージェスの原作に凄みがあってキューブリックはそこに映像/音楽演出を施したことで、まるで木の幹から(最初からそこにさも在ったように)仏像を彫り起こすようにして形どったという印象。

ウルトラバイオレンスの是非なんかどうでもいい。文学は既に「己の妻をレイプして殺した男の暴力性を有無を言わさず取り除いたらそれは人間足りうるのか」という思考の深みに到達している。
こんな刺激的な問いを投げかけられてゾクゾクしないわけがないだろう。
扇