たいが

時計じかけのオレンジのたいがのネタバレレビュー・内容・結末

時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

ラストシーン解説

主人公・アレックスにかつて妻を犯され、自身も痛めつけられた作家が、アレックスが政府によって矯正された事を知り、彼が拒否反応を起こす第九を聴かせて自殺するように追い込みますよね。
あの作家は反政府勢力で、アレックスを自殺に追い込む事により、政府の施策を攻撃する材料にしようとしていたのです(もちろん復讐も兼ねています)。
政府はすぐに作家を逮捕すると共に、アレックスを元に戻し、政府の施策が素晴らしいものであり、反政府勢力に世間の非難が集まるように協力しろ、と言っている訳です。

>「治った」
矯正によって植え付けられていた、暴力とセックス、第九への精神的拒否反応が解除され、アレックスは元の凶暴な不良青年に戻りました(病院で、スピーカーから流れる第九・歓びの歌の中、笑顔で握手しているのがその証拠です)。
そしてラスト、やはり拒否反応を植え付けられていたセックスをして、アレックスがつぶやいたわけです。
「俺は治ったんだ」
犯罪者に戻ることをも是とする政府、自由人を気取る個人の意思が、政府の大衆操作の手のひらの上で踊っているだけ、という痛烈な話ですね。
たいが

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