大一

時計じかけのオレンジの大一のレビュー・感想・評価

時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)
4.0
前半のアレックス達による暴行や強姦だらけの不良少年達の日常は何か理由があるわけでも目的があるわけでもないただの欲求によるもので何十分かのそのシーンがとても長いものに感じられそこから見れていなかったが、後半アレックス自身の環境が変わることによって物語は大きく展開していく。それまでは物語上だけでなく生活や社会の中心として描かれていたアレックスが権力や時代、街の道具として扱われ始め、道徳的倫理の選択権を失った彼は生きながら殺されかける。
カットや映像表現に面白さは多いが、1番はアレックスという青年の環境と自我の関係に感じた。悪人として街で生き生きとしていた時代、善人として社会の俗物にされた時代、そしてそれから。
犯罪者の立場や社会の構図が見られる。
性と暴力の抑圧の末には果たして善良な街が作られるのか。
大一

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