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時計じかけのオレンジのべるーしのレビュー・感想・評価

時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)
4.5
スタンリー・キューブリック史上最狂傑作。中学生の頃に観ようとして断念したが今観るとあまり苦痛にすら思わず。俺成長したなと我ながら思いますw

映画自体には文句なしです。これぞキューブリック。金と暴力とSEXと....そうした人間の要素を取り除こうが暴力は無くなる筈もなく、普通の人間へと戻す事自体が暴力なのであると気付かされる。

観る狂気という名の芸術。例のミルクバーや性器の形をした彫刻、画面に映る全てが全て狂いに狂ったものだらけなもんで万人受けはしない。まぁ、キューブリックの映画は大衆に向けて作ってるワケじゃないからその辺はね...

しかしこれが当時としてはかなりヒットしたのだとか。それだけ公開当時のアメリカはニューシネマがウケる時代だったワケだ。

「ルドヴィコ療法」でアレックスを模範市民へと矯正する下りはもう風刺っつーか、完全なる社会批判でありましたね。”皆と同じになれ”だなんて無理があるのは確かな事です。しかし、社会はそれを強制する。作風と同様にクレイジーな世の中。その中で苦しむアレックスに自然と感情移入してしまう不思議。その辺アメリカンニューシネマらしいなぁとつくづく思う。

これぞ芸術、これぞバイオレンス映画、これぞキューブリック。素晴らしき名作です。

ただ「フルメタルジャケット」でのミッキーマウスマーチと言い、今作での「雨に唄えば」と言い、中々狂った使われ方をしていましたねww 「雨に唄えば」は大好きな映画でありますがこの完全に喧嘩を売るスタイルでの挿入はキューブリックらしくて良いと思います。暴力と「雨に唄えば」、奇跡の融合!()
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