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時計じかけのオレンジのKotaのレビュー・感想・評価

時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)
4.9
“健康な人間は憎むべきことには恐怖と吐き気で反応するものだ。”

ワーナーのLPデザインBlu-rayを購入したので、5年ぶりに鑑賞。改めてしっかり観るとヤバすぎて凄すぎると痛感。他の映画を映画と呼べなくなるくらいの衝撃。初めて観た時はアメリカ留学中の映像学の授業で、字幕もなく(スラングがめっちゃ多いし)あまり理解もできず、レイプシーンで一人あたふたしてただけだった(笑)。

始まってから直ぐに連続3シーンで衝撃的なカット、そこから一気に観客を映画に引き込み、気づいたら2時間越えの作品が終わっている。エンドロールの「雨に唄えば」が聞こえた時にいきなり現実世界に放り戻されるような浮遊感。思わず拍手しちゃったよ。鳥羽が立つとはレベルが違う。(ちなみに暴行シーンでアレックスが雨に唄えばを歌ったのは彼のアドリブだというのだから驚き!)

ストーリーが暴力的且つ反モラル的であるのにも関わらず、数々の美しいショットと、アレックス(マルコムマクダウェル)を中心とした演技力に引き込まれてしまう。50年経った今でもその魅力は色褪せず、間違いない名作と自信を持って言える。何よりアレックスがレイプ魔殺人鬼なのにカッコよすぎるんだよなぁ…。タップダンスと、お風呂で唄う時と、最後のご飯食べさせてもらってる時のシーンが好きすぎて。キューブリックの中でもダントツで好き。ハロウィンのコスチュームでやっちゃうくらいには好き。
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