くりふ

ミーン・ガールズのくりふのレビュー・感想・評価

ミーン・ガールズ(2004年製作の映画)
4.0
【いじわるという女子力】

ディズニー番組出身なのに、相変わらず塀の中に呼び戻されるばかり。今やハリウッドの田代マーシーであるリンジー・ローハンさんですが、本作の頃は可愛らしく、爆乳で(重要!)、演技も元気、ありましたねえ。

ある映画関連サイトで、ミーガン・フォックス出演とあり、え、じゃ、『ジェニファーズ・ボディ』の前にアマンダ・サイフリッドと共演?と確認したくなったのが、みたきっかけ。…これ、誤情報でしたが(笑)。

おバカな学園ドラマだろうとみてみれば、実際まあそうなんですが、根はけっこうマジメな作り。これ、対いじめ指南書が原作なんですね。スクールカーストが少しでも改善できれば、という狙いは感じます。その効果は疑わしいですが、エンタメに包む語り方は悪くないですね。

原題は意地悪女子の意味ですが、女子の意地悪についての映画でした。ちなみに原作は「Queen Bees and Wannabes」で、女王蜂となりたがり。脚本は、女教師役で出演もしているティナ・フェイが書いていますが、SNL出身の才女らしい。サラ・ペイリンの物真似でも有名だそうで(笑)。

面白さの肝は、カーストの頂点に立つ派閥のハデな動向と内乱と暴発。プラスティックスという3人組セレブ女で、まあ生々しい女ども(笑)。注目集め捲る身体の中は、本能まんまの動物に近い。美女で野獣。

リンジー演じるアフリカ帰り(笑)の転校生が、女王蜂の罠に嵌り、意地悪には意地悪で復讐したる!となるもそれってどーよいうお話。

3人組が皆、生き生きとイケイケで実に魅力的。…性格最悪だけど。

女王蜂、レイチェル・マクアダムスのバービーな女豹、もいいけれど、貴重なのが、アマンダ・セイフライド演じるカレンのバカッぷり!巧くて地なの?とも疑っちゃいますが(笑)、このスッカラ感は物凄い。

こういう役、もうやらないだろうな…とも思うんですが、実は、『レ・ミゼラブル』の役どころとあまり変わらない気もします(笑)。

ミニスカサンタと、バニーガール姿のご披露というサービス付き!そんな、お宝感満載のガールズ鑑賞が、私は一番楽しかったですが、役者さんの生かし方は全般、的確で、元気な演技は見応えあります。

「派閥」内パワーバランスの、笑える変化がいちばん面白いですが、その外側を囲む、リンジーの「友人」との変化も、ちょいと泣かせます。

派閥より友情、見栄より共有、騙すより告白、そして拒絶より許し。10代だからこその揺らぎと強み。甘いけれども、悪くないと思います。

これは2004年の作品で、私は学園ドラマ、あまりみないので、最新型がどんなものか、そのうち新作も覗いてみようと思います。

<2013.4.24記>
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