Kamiyo

ベティ・ブルー/インテグラル 完全版のKamiyoのレビュー・感想・評価

3.0
1992年 ”ベティ・ブルー インテグラル 完全版”
監督 ジャン・ジャック・ベネックス
脚本 フィリップ・ジャン

(原題:37°2 le matin、英題:Betty Blue)37.2度
タイトルはフランス版の原題らしいけども、
女性が一番妊娠しやすい体温ですって。

フランス映画独特のラブストーリー
僕見たいな古い人間には、この映画は僕はいまいち意味が理解できなかった気がする。
耳に残る音楽と、フランスの別荘地の雰囲気が心に残っている。

タイトルだけだとベティだけの物語りかと思っていたら、ベティ(ベアトリス・ダル)とゾルグ(ジャン=ユーグ・オングラード)二人の物語りだった。
自由奔放な、ベティと、小説家を諦めたゾルグは、激しく愛し合い同棲を始めるが。。。。。

3時間は確かに長いが、終わればペンキ塗りから遠くまで来たもんだと思えた。
若い方には受けるのかな、あんな彼女は疲れそうに思えるのは歳のせいか。

冒頭のセックスシーンから、とにかくは強烈なのです。
ベティという感情の制御のできない女性の激しさが随所に見られて、自身が持つ人生のジレンマをそのままぶつけてる様でありました。
車にペンキをぶっかける、家財道具を窓から気の済むまで放り投げる、家に火をつける、気に入らない客をフォークで刺す、素手でガラスを割る。女は感情の生き物と何かの本に書いてあった記憶がありますが、それを極端というか僕にはわからないのだ。。。。。

そしてそんなベティを愛するゾルグ。
ベティが狂えば狂うほど、ゾルグの愛は拡大膨張する。
僕には理解できない愛だ。
ゾルグもまた「狂気」をまとった男だと言える。

本能のままに生きるベティを受け入れるゾルグも
激しい愛の中に身も心も溺れていきます。

黄色いベンツを盗んだり、ベティが傷害で捕まると被害者を脅して告訴を取り下げさせたりと…。
女装をして強盗なんかもやってました。
彼の犯罪行為も全てベティのためです。
前後の見境を無くすか打算を捨てないと
彼女は愛せないのかと考えたりしましたね。
正直このエピソードいらなかったんじゃないでしょうか。いろんな意味でちゃんと描けてません。

ゾルグは強盗して最愛の人を殺して、でも(最愛の人を失ったこと以外の)ペナルティーは無し。小説家として歩きはじめるって、このやろう。のうのうと生き延びやがって。だいたいゾルグはベティを殺すにあたって女装してるんですが、愛する人を手にかける際、女装して忍び込むってかなりマヌケじゃないですか。隠匿する気マンマンにも見えますし。

愛があれば命を賭けるのが本物なのだと、
そしてそれを証明し合いたい人向けです。
日頃、おとなしい女性ほど
こういう映画を好む傾向があるようです。
ドラマチックで悲劇的で破滅的な恋愛依存の傾向の女子も、コレをやたら支持します。
不幸が好きなんだなあと感じます。
僕がソルグだとして、愛しているならこうしてくれ、ああしてくれっていう女はイヤです。それが小さな事でも、
命にかかわる事でも。
芸術かなんかしらないけど
Kamiyo

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