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シティーハンターのLCのレビュー・感想・評価

シティーハンター(1993年製作の映画)
3.6
面白かった。

戦闘場面が目白押しだけれど、耐性なし人ことわしが笑いながら見られる塩梅。素敵。

びっくりしたのは、わしの中にある主人公像に一致する描写が多かったこと。
シティーハンターといえば、コメディとシリアスのバランスや、それらのギャップを魅力のひとつに挙げる人が多い気がする。
わしにとっては、「おちゃらけた主人公が、その気がないままふりまくかっこよさ」を拾うことが魅力。その為、かっこつけられると冷める。ギャグ属性(1tのハンマーに潰されても大丈夫、とか)持ってるんだから、おちゃらけてても死なない者じゃないか君は、と思ってる。偏見かもしれない。
おちゃらけた君のまま、相手の気持ちを掬い取ったり、問題を突破したりしていく。そこに見出せるかっこよさが好き。
そういう感性のわしにとっては、とても楽しめる作品だった。

兎に角笑える。そこが好き。
そこが受け付けないところ、という人もいると思う。原作のシリアスでかっこいい部分を変えられたらちょっと、という気持ちも、理解できる。
でも、シリアスになるところを笑わせてくれつつ、信じられないような身のこなしを見せてくれる。クスッとしちゃうのに、誰も敵わない説得力を身体能力で垣間見せてくれる。それが、わしの中の彼。
安心して見守らせてくれる、ついでに笑わせてくれる、そういう人は、かっこいい。
命のやり取りをしつつおどけてみせて、心底心配してる相手を怒らせる。そういう人っていうイメージがとても強い。
本作の主人公は、良くも悪くもずっとそう。不特定多数の女性にときめいたり、お腹減ってたり、好きな相手の言動に素直に戸惑ったりするけれど、それなのに勝てる気がしない身のこなしをサラッと披露する。
劣勢となる場面で、倒れ込んで苦しい顔をするのに、立ち上がる時はキリッとした顔で、「シティーハンター!」という鋭い合いの手が入った瞬間は、もう笑いを堪えることができなかった。ちょいちょい入るね、合いの手。
心配要らないよ、安心して見てて。そういう姿に見える。幻だとは思う、わしにしか見えない類いの。

主人公だけではなく、周囲も全力でその空気を守ってくれる。
印象的な身体能力を披露してくれるのも、主人公だけではないしね。
身体能力どころか、歌唱力まで披露してくださる。
何も考えずにそのライブを楽しんだけれど、本当にライブ(フルコーラス)を浴びせてくるとは思わなかったよ。日本でも有名な曲らしいね。アジアの曲に対して造詣が深くない、弱点を突かれたぜ。
当時嵐のように流行っていたらしいゲームの描写もあったけれど、ふんわりとした知識しかないわしでも楽しかった。ちゃんと足伸びるんや、すごい。
明らかに固定されたものがくるくる回ってるキックは、やっぱり笑いが止まらなかったけれども。勝ったらピースする人、こういう攻撃するんやあ。いやでも、主人公との足技対決、ちょっと見入ってしまった。

最後なにやらドラゴンが見覚えのあるアイテムを持って歩き去るところは、あら、彼女はそれ使わない感じの終劇なのかなと思うじゃん。極自然に奪っておった。騙された。
せやな、それはドラゴンのアイテムちゃう。彼女のアイテムや。
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