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市民ケーンのdeenityのレビュー・感想・評価

市民ケーン(1941年製作の映画)
3.0
ゴールデン・グローブの作品賞などに『mank』が名を連ねていますが、どうやら本作との関わりがあるということなので、名作と知りつつもまだ見ていなかった本作を鑑賞しました。

当時はものすごい評価が高かった作品ってやはり当たり外れがあるのは承知していますが、本作の好評ポイントってやはり映像技術だったと思うんですよね。
少し調べてみると、パンフォーカスだったり下方向からのアングルだったり、ストーリー展開なんかも含め、今では当たり前にある手法を先駆け的に取り入れていたみたいですね。
そりゃ当時は斬新な撮影技法として注目を集めるでしょうが、今それを同じ感動では当然味わうことはできず、「そんな騒がれるほどの作品か?」と肩透かしをくらうのはやむを得ない気はします。

いや、もちろん名作であることには変わりありません。映画界への貢献度としては後世に圧倒的影響を与えていますし、間違いなく殿堂入りの名作でしょう。ケーンの人を愛することが苦手な故にこじれてしまう不器用な感じや、「バラのつぼみ」というミステリー要素からの所詮はパズルの1ピースに過ぎないとか。今でも当たり前のようにテーマとなる題材や、一人の人物を描く演出など、作品の普遍性は疑う余地はありません。
しかし、名作=面白いではないので、ストーリー的に楽しむというよりは、映画の教科書的な見方をするくらいの感覚になってくるのかと思いました。
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