きゅうげん

クライモリ/間違ったターンのきゅうげんのレビュー・感想・評価

3.4
祝リブート!
なし崩し的に展開がはじまる推進力としてのボンヤリさ、お話が進めば進むほど安っぽくなるロケーション、もっさりしたアクション・シーンなど、首を傾げたくなるところはありますが、本作で重要なのは意外と完成度の高いゴア描写。四肢切断の人体解体表現はとても丁寧です。

グロ重視の惨酷ホラーが'00年代の流行だったという文脈の上で、ヒルビリー・ホラー再燃へ先鞭をつけるような建設的姿勢(例:『サランドラ』に言及する最初の山小屋シーン)も盛り込まれ、ジャンル中興の祖と言えるのではないでしょうか。
「おバカ若者グループvs奇形殺人鬼」という構図へ放り込まれる賢明な主人公、というのも我々へ寄り添うツイストした客観的視点があって面白いと感心……したものの、あまり後々の展開に作用しなかったのはちょっぴり残念。

ところで「意外なラスト!→ハイテンションなギターで始まるクレジット!」って、今観るといかにも'00年代的でクソダサいですね~。
あと小山力也による吹替の、言いようのない午後ロー感。