上海十月

日本春歌考の上海十月のレビュー・感想・評価

日本春歌考(1967年製作の映画)
3.0
随分前に観たのでほぼ吉田日出子しか覚えてなかった。「あまちゃん」の再放送が始まっているので宮本信子の女学生姿を見て、ノン時代だなぁという感じ。この時期に伊丹十三と不倫関係で後に結婚する事に。荒木一郎は、最近半自伝的な小説を出しており、それを読むと、イケすかない人だ。その感じがそのまま映画に出ている。冒頭の雪の中を学生服姿で歩くシーンは、後の「少年」の様で大島渚ぽい。ぽいと言うと失礼かもそれないけど多分撮影監督の美意識ではないかと。坂本龍一も「日本の映画監督で一番絵心がない。」と言ってますもんね。上野駅構内が出たり印象的なシーンが多い。抑圧された学生がエロを発散する、しかも妄想も。大人たちが物知り顔で語る日本人の成り立ちと韓国との関係を混ぜ込む。混ぜるな危険で大島渚のタブー表現の面目躍如だろう。しかし、60年後半の時代の雰囲気はあるが今から見ると、その枠から出ているわけでもない。
上海十月

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