ねぎおSTOPWAR

SAYURIのねぎおSTOPWARのレビュー・感想・評価

SAYURI(2005年製作の映画)
3.8
京都にある架空の町を舞台にした芸者の話。
時代は第二次世界大戦前。
貧しさから売られた少女がはかない恋を胸に様々な苦難を乗り越えていくストーリー。
主人公さゆり(千代)を演じたのはチャン・ツィイーと大後寿々花。
いろいろとね、着物の着方やら「??」はたくさんあるものの、悪意を持って描かれたものにあらず。むしろ街や家屋やはとても美しく演出されていましたよね。
頭の中で日本映画と比較しながら拝見しましたが、やはりライティングなのかなあ、違いは。簡単に言うと暗い!日本は明るさを作り、あちらは暗さを作るって感じ。同じように見えて実は真逆。まあね、監督によってもまったく異なりますけどね。
ロブ・マーシャルですから、出身は舞台ですから、「シカゴ」ですからね。


2005年に公開されたアメリカ映画。
残念なのは日本語は一部でほぼ英語が使われていたこと。字幕に慣れていないアメリカ人のためだって話です。その昔中国人の役をアメリカ人ほか非アジア人が演じるよりはマシですが・・。でもメインの数人は日本人ではありませんからね。これも残念かなあ。チャン・ツィイー(中国)やミシェル・ヨー(マレーシア)がダメだとは思いませんが、桃井かおりや工藤夕貴がいわゆる日本人的な内面を演じていましたから。せっかく日本を舞台にしてくれたので、もっと伝えたかったという気持ちです。はい。
ハリウッドで製作されるゆえに俳優ランクがないとキャスティングされないという、まあ仕方がない。


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アカデミー受賞作品を観よう119(2005年第78回撮影賞/美術賞/衣装デザイン賞)
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<原作小説について>
この映画を機に知りましたが、原作のアーサー・ゴールデンは取材協力者に訴えられたのですね。それも匿名を条件にしていたのに本名をさらし、また事実とはかけ離れた内容にしたそうです。まあね、ドキュメンタリーではないので脚色は許されるかとは思いますが、匿名を約束していたのに反故にしたのはいただけない。実際その芸者さんは大変な目にあったようです。