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ヴィトゲンシュタインのleylaのレビュー・感想・評価

ヴィトゲンシュタイン(1993年製作の映画)
3.8
哲学者ヴィトゲンシュタインの半生を奇才デレク・ジャーマン監督が描く。生い立ち、人格、哲学論理、趣向…など、ヴィトゲンシュタインについて、これ以上わかりやすく網羅した伝記作品は作れないんでは?というぐらい効率的でミニマムなつくり。ドラマとして普通に作ったら3時間以上にはなりそう。

低予算で2週間ほどの撮影期間で製作されたそう。黒い背景に簡単な小物を置いただけのセットで繰り広げられる少人数での会話劇なので、演劇学校の生徒作品にも見えなくはないけど、でもこれが最良な方法に思える。

ヴィトゲンシュタインの半生をwikipediaで調べてから観ると監督の表現方法の面白さとわかりやすさが伝わる。

一生を通して自己疎外感と戦った哲学者。繊細な魂が哲学に向かわせ、生涯探求をし続けた。破天荒な生き方のヴィトゲンシュタインという人間が面白かった。

ティルダを最大限に生かしていて、派手な衣装とメイクがハマってました。主人公の俳優はご本人とちょっと似てます。



📌MEMO

ヴィトゲンシュタインの半生

裕福な家で生まれ神童と呼ばれた子供時代→
マンチェスターの大学で航空工学→
ケンブリッジで哲学を学ぶ→
ケンブリッジに嫌気がさし、ノルウェーへ→
志願兵になる→
捕虜になり解放→
オーストリアの田舎の小学校の教師→
ロシアの肉体労働者→
ケンブリッジに戻る→癌により62歳で死去


「哲学は純粋で絶対の世界を探す旅」

「哲学は言葉の誤解の副産物にすぎない」

「生に意味と形を与えるのが死だ」

「ザラザラ(摩擦)は欠点ではなく
世界を動かすものすべて」

「時空における人生の謎を解くものは 
時空の外にある そこに謎はない 
もし質問さえできるなら
答えを得ることもできるのだから」
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