本作はアイラ・レヴィンによる同名小説を映画化した作品である。古典的な作風をまとったサスペンス映画だが非常に面白かった!最初から犯人が分かっているのに最後まで目が離せない展開が続くため、一級のスリルが味わえる作品だ。
ショーン・ヤング(昔は本当にきれいだったのに…)の双子役も意外性があってよかったし、何より要となるマット・ディロンの犯人役に厚みがあっていい!ジョナサンという人物の明と暗の部分を上手く演じ分けており、そんな彼の姿に魅了されながらも我々は混乱するのだ。
そしてジョナサンの動機が本当に切なかった。あの窓から違うものが見えていたならば、こんな道は歩まなかったのかもしれない。大金持ちにはきっと理解出来ないんだろうなあ。もの悲しさに溢れたラストに余情を感じつつも、あまりにも皮肉なジョナサンの最期に言葉を失う。