じぇいらふ

PASSIONのじぇいらふのレビュー・感想・評価

PASSION(2008年製作の映画)
5.0
濱口竜介監督初期の代表作という触れ込みに違わない傑作❗️よかった‼️👍👍👍👍👍
東京藝術大学大学院映像研究課の卒業制作。濱口監督は『親密さ』もそうだが学校卒業制作の段階でとんでもない作品を作る。

どうやら嘗ての同級生だった大人男女5人が集る。結婚するという2人を祝う席だったが、実は彼女が好きだったという男と、実は浮気をしていたという夫となる男。そして場所を移してそれぞれの思いを探り合う展開に。。。

これだけ書くと普通にドロドロ系トレンディドラマみたいだけど、ほぼほぼ部屋の中で、たまに外で繰り広げられる、「好きだった」「いやそうじゃなかった」とかいうどうでもいいやりとりのなんとすばらしいことか❗️濱口的会話沼にはまりまくる快感。

『偶然と想像』でもすばらしかった濱口組常連キャスト、河井青葉、占部房子、渋川清彦らがまた違った魅力的キャラクターで迫る。

仕掛けとしての濱口的ゲームの展開。
結婚間近の果歩は学校の先生で、いじめによる自殺した生徒についてホームルームで生徒達に迫る思考ゲームの緊張感と絶望。

互いに信じられなくなって、「本音を言い合うゲーム」を始める。途中でルールがこんがらがってよくわからなくなるが笑あきらかに心の虚飾が剥がれ落ちていく会話の妙。互いの腹の中をスコップで掘り合う様な、にじり寄りの会話劇。最後は暴力=直接的行動がそれをぶち破る。

濃厚なやりとりの最中、結局のところ「好き」とか「愛してる」って結局なんなんだろうね❓❓🤪と言葉がゲシュタルト崩壊してカラカラになっていく過程を体験できます。「君の目が好き」「鼻が好き」という告白の純粋なすばらしさと同時にむなしさもある不思議な体験。

勿論会話だけでない画の力。会話とフリスビー🥏のやりとり。遠くの工場と告白の二人。出て行くダメ夫とすぐに戻り妻に跪く夫。バス🚌に乗り外をみる占部さんのもうそれしかない❗️の顔等々✨

後の濱口傑作群の始まりともいえるし、徹底してやってみてのある意味初期の到達かもしれませんね。

濱口作品でいまのところ一番好きですな🤣👍