停滞

座頭市物語の停滞のレビュー・感想・評価

座頭市物語(1962年製作の映画)
4.0
名作。静謐さと繊細さが心地よく溶け込んだモノクロの画面にヤクザの歪んだ感覚が混じりこみ、それを座頭市の道理が切り裂く。
よくあるヤクザ映画と物語の筋は似ている。しかし、これはヤクザの論理というか仁義から外れた抗争に巻き込まれてしまう座頭市の葛藤を描いている。ヤクザは筋の通し方として刀なり鉄砲なりが出てくる。マフィアとかヤクザ映画をみて筋を通すのを一概に間違っているとは言えないように感じてきたのだが、忘れちゃいけないのが人が死んでいるということ。全体を通してそれを感じさせてくれた。

座頭市はめくらだけど、しっかり道理が見えている、もしかしたら自分は目に"見えているもの"で世界を間違って歪んで捉えているのかもと思い(毎日映画を見ているんだけどね)、めくらの感覚を知りたいと思ったのでした。
停滞

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