yoshiya

スタンド・バイ・ミーのyoshiyaのレビュー・感想・評価

スタンド・バイ・ミー(1986年製作の映画)
4.1
「有名な映画だけど、実はまだ観ていないんだ」っていう映画、結構あるんです。観たい観たいと思って前からclipしているんだけど、レンタル店に行くとつい別の映画に目がいっちゃったりして、そんなことの繰り返しで結局まだ観ることのできていない映画。みなさんも、そんな映画きっとありますよね?

この映画もそうだったんです。『STAND BY ME』。線路の上を歩く4人の姿とか、ヒルだらけになっているシーンとか、あまりにも有名で、つい、また今度でいいや、ってなっていて。結局今の今まで観たことがなかったんです。

そういう映画に共通していることなんだけど、やっぱり観てみると、いい映画なんですよね。有名すぎるし、昔の映画だし、また今度でいいやって思っている映画ほど、心にしみる。この映画も間違いなくそんな映画の一つでした。間違いなく。




ここから、観た感想。
ネタバレになるかもしれないので、未鑑賞の方はこの先は読まないでください!

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

「成長」をテーマにしている映画だと、ずっと思っていたんです。冒険でいろんなものと出会って、成長する映画、友情と経験によって、子供から大人へと成長する映画だと。「子供たちが死体を探しに行く映画」だと聞いていたからかもしれません。だから、正直こんなにも

「心の傷」

をテーマにしている映画だとは思っていませんでした。死んだ兄、父は僕よりも兄のほうを愛していた、父さんは僕のことは嫌いなんだ、ゴーディのその台詞の重さ、彼の心に深くついている傷、先生にさえも裏切られ、誰をも頼ることのできないクリス、彼ら二人が夜の森で話すその光景が今でも僕の頭に強く残っています。

少年の心の傷は、大人のそれよりも深く、奥まで浸透し、身を締め付け、孤独にさせる。世界が狭く、純粋な故に彼らはそれを治療する方法を知らない。「友達」という言葉を使うなら、彼らこそが「本当の友達」であると僕は感じました。傷を見せ合い、互いにそれを受け入れあう二人。心と心のつながり。

こんなにも深い映画だと知っていたら、もっと早くに観ていたのに! 


だけど、一つだけ気になることがあるんですよね。
「覚えてろよ」って言って帰ったあのワルとは、あの後どうなったんだろう?
yoshiya

yoshiya