めしいらず

橋のめしいらずのレビュー・感想・評価

(1959年製作の映画)
3.5
第二次大戦をドイツ軍側から描いた傑作。痛切な反戦映画。戦争末期の悪化していく戦況。村の少年たちはそんなことなど知らず、召集される日を待ち焦がれている。彼らにとって兵士はただ勇敢でカッコいい憧れの存在だ。その様子を大人たちは複雑な思いで見守る。待ちに待った召集。たった一日の訓練。だが上官の配慮によって少年兵が配置されたのは、彼らの村にあるもうじき壊す予定の橋の警備。勇敢さを競いたい彼らは後方に遣られ不満げだ。でもそこには来ないはずの米軍の戦車が通りかかってしまうのだ。橋は俄かに戦場と化す。そして彼らの想像を絶した実際の戦争というものの何たるかを、16歳の幼い命を代償として散らしながら学ぶことになる。二日前まで半ズボンを履いていた子供すら駆り出され死なされたあの戦争の実態。この出来事は戦争の大局に影響のない日常茶飯の些細な出来事として片付けられ記録されることはない。
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