トムザイルft.白蛇神

竹取物語のトムザイルft.白蛇神のレビュー・感想・評価

竹取物語(1987年製作の映画)
4.0
なんの前情報もなくジャケだけで選んで鑑賞してみたけど良かった。

filmarksでのスコアはやたら低いですが、私は寧ろ「日本のSFやるじゃん」って思いましたね。結構お金かけて制作されてるのがよくわかる気合の入った作品ではないかと。

衣装やセットはじめとする美術が素晴しい。なるほど、やっぱワダエミさんいい仕事しますね。十二単のシンプルながらも上品な色使いや、かぐや姫が座っているシーンでの着物の見せ方等、息をのむ美しさ。

キャスティングも三船敏郎、若尾文子、沢口靖子等々の豪華なラインナップで文句なし。

脚本に関しては特に所感ありませんでしたが、若干ラストにかけて雑なシーケンスがちょいちょいあったかな。大納言が命を懸けて生還したというのにもう御殿内は月の話題で持ち切り状態、大納言の件はスルー気味に流されてて笑いましたわ。

で、目玉のラストシーンなんですが、「金かけたなあ…」の一言w それ以外では宇宙船が迎えに来て、かぐや姫が照らされた光のエスカレーターみたいなものに浮いて登っていくシーンは、SFにやたらリアリズムを求めがちな今だからこそ逆に新鮮で良かったですね。

竹取物語を扱った映画は最近の作品だとジブリの「かぐや姫の物語」が記憶に新しいですが、この作品はよく実写映画として上手く撮れたなという印象です。

今日たまたま新月なのでタイミングよく観られて良かった。ほんと、映画として良く出来てるし面白かったですよ。(・∀・)